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2013年11月26日火曜日

COPD急性増悪; どのような患者に抗生剤を使用すべきか?

Chest 2013;144:1571-1577
軽症〜中等症のCOPD急性増悪患者310名を対象に, AMPC/CLA投与 vs Placeboに割り付け比較したRCTにおいて, Placebo群の152例を解析.
 患者は40歳以上で, FEV1/FVC<70%, FEV1>50% predicted.
 Abx群の治療成功率は90.5%, Placebo群では80.9% (p=0.022)と, 有意にAbx投与群の方が治療成功率は良好であった.

Placebo群152例において, Placeboでの治療失敗率をAnthonisen criteria別に評価.
また, Criteriaで最も寄与する因子を評価.

Anthonisen Criteriaによる抗生剤の判断;
Criteriaは以下の3つのうち, いくつ満たすかで評価.
3つ(type I), 2つ(type II), 1つ(I)で分類
 呼吸苦の増悪
 喀痰の増量
 喀痰の膿性の増加
Anthonisen criteriaと治療失敗率
Type IではAbx無しで1/3が治療失敗
Type II, IIIでは, 喀痰の膿性増加が重要な因子となっている.

各項目を評価すると, 治療失敗のリスク因子は, CRPと膿性痰.
FEV1<65% predictedもリスク因子となる.

“痰の膿性の増悪” と “CRP >4mg/dL” の2つがある場合, 抗生剤無しでの治療の失敗率は63.7%となる.
 喀痰の膿性の増悪が無く, Criteria II,IIIならば治療失敗率は5%程度であり, Abx無しで治療することもありかもしれない.