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2014年1月4日土曜日

腎動脈狭窄による高血圧, 慢性腎不全患者へのステントは予後を改善させない

N Engl J Med 2014;370:13-22.
CORAL trial; 
動脈硬化による腎動脈狭窄 + 高血圧, CKDを満たす947例のRCT
 患者は, 2-3剤の降圧薬を内服していても, sBP≥155mmHgとなる重度の高血圧症を有するか, CKD(GFR<60ml/min)を有し, 80%~<100%の腎動脈狭窄, もしくは60-80%の狭窄で, 狭窄前後の脈圧差≥20mmHgを満たす患者群.

除外項目は, Fibromuscular dysplasiaによる腎動脈狭窄, 虚血以外の機序によるCKD, Cre>4.0mg/dL, 腎長径 <7cm, 1箇所のステントのみでは治療困難な場合.

これら患者群を, 薬剤治療 + 腎動脈ステント術 vs 薬剤治療のみに割り付け心血管, 腎イベントリスクを比較.
 薬物治療群では, 特に禁忌がない限り, ARB(Candesartan) ± Hydrocholorothiazide, 加えてAmlodipine-atorvastatinを増量し, 血圧コントロール.
 血圧目標値はリスクが無い患者では<140/90, DMやCKDがある場合は<130/80とした.

母集団データ
アウトカム


5年後の心血管イベント, 腎不全の進行, 死亡リスクは両者で有意差無し.
Sub-analysisを見ても, 特に有意差のでる因子は無し.