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2015年9月24日木曜日

ARDSではない患者における人口呼吸器設定

ARDS患者ではLung-protective ventilation(Low tidal volume ventilation: TV 6mL/kg)とするが、ではARDSではない患者における設定でもLow tidal vol.とする必要があるのかどうか?

(JAMA. 2012;308(16):1651-1659)より
ARDSではない挿管患者群において, Low Tidal Vol. ventilation (Lung-protective ventilation)と, High Tidal Vol. ventilationを比較した12 trialsのMeta-analysisでは
アウトカム
RR
NNT
肺損傷
0.33[0.23-0.47]
11
死亡
0.64[0.46-0.86]
23
肺炎合併
0.52[0.33-0.82]

無気肺
0.62[0.41-0.95]

結論としては, non-ARDS群でもLow Tidalとすることが推奨される.

また、(Crit Care Med 2015; 43:2155–2163) より
ARDSではない患者に対する呼吸器設定を以下の3群で比較したMeta-analysis
・Low tidal(≤7mL/kg)
・Intermediate(7-10mL/kg)
・High(≥10mL/kg)

患者はP/F >300もしくは画像検査で浸潤影(-)の群.
呼吸器設定は最初の2日間の設定で判断
各設定群におけるARDSや肺合併症の発症率を比較した.

アウトカム

肺合併症, ARDS合併リスクはLow tidalほど低い結果.

Tidal vol.の設定と肺合併症リスク
Tidal vol. ≤7mL/kgでは肺合併症のリスクはプラトーとなる。
それ以上ではリスクは上昇する可能性が高い。

結局、ARDSだろうが、なかろうが、基本的にはLow−tidal volとすると覚えておく。