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2016年4月8日金曜日

Zika virus感染によるギランバレー症候群

Zika virus感染はGBSとの関連が認められている
フランス領ポリネシアにおけるZika virusのアウトブレイクとGBS発症例の関係は以下のとおり
(Lancet 2016; 387: 1531–39)
最初のGBSは流行開始後5wkで発症
・流行ピークに遅れてGBS症例もピーク.
Zika virus感染でのGBS発症率は0.24/1000感染と推測される.

流行期(2013年10月〜2014年4月)に診断されたGBS 42例と
 居住地, 年齢, 性別を合わせた, 非発熱性疾患で病院を受診したControl群 98例(Control 1), 
 年齢を合わせたZika virus感染症で神経所見陰性の70例(Control 2)を
 比較したCase-control study.
・Control 2のZika virus感染はRT-PCRにて診断.
・また, Dengue virus感染の影響も評価するため,  GBS群とControl 1ではDengue virusの抗体検査も行い比較.

GBS 42例の評価では, 

・感染症状出現〜神経症状出現までの期間は6日間[4-10]
・GBS発症〜症状のピークまでは6日間[4-9]と急速に進行する.
・発症症状は運動障害, 筋力低下が主となる.

GBS症例において, Zika IgM/IgGが検出されたのは98%.

・IgM抗体は93%で検出されており, ほぼ9割はZika virus感染が関連している可能性が示唆される.
・ZikaとDengue IgMは交差反応を示す可能性が示唆されており, GBS症例におけるDengue IgM陽性例は全例Zika IgM模様性であるのは交差反応かもしれない.

抗体陽性率
・抗体は31%で陽性となる
 多いのはGA1, GD1a抗体.
・AMANタイプが多いが, GM1抗体は初期には検出されない.
 3ヶ月後は48%で検出され, GA1, GD1a, GD1b, GM1が検出される頻度が高い