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2016年5月7日土曜日

化膿性脊椎炎の抗生剤投与期間

化膿性脊椎炎における抗生剤投与期間は基本的に6週間.

化膿性脊椎炎患者359例を対象としたopen-label RCT
(Lancet 2015; 385: 875–82 )
・抗生剤投与期間を6wkとする群 vs 12wkとする群で割りつけ, 1年後の治癒率を比較.

母集団のデータ
アウトカム;

治癒率は双方とも90%と有意差なし
・炎症反応、腰痛も有意差無し.

化膿性脊椎炎の治療期間は6wkでOKといえる

再発リスクと投与期間別の再発リスクを評価した後ろ向きStudy

血行感染による化膿性脊椎炎患者 314例を後ろ向きに解析
(Clinical Infectious Diseases® 2016;62(10):1262–9)
・再発リスク因子を抽出し, 1項目でもあれば高リスク群と定義.
・リスク群別の抗生剤投与期間と再発リスクを評価した.

母集団

再発リスク因子は以下のとおり:
・MRSAによる感染: OR 2.61[1.16-5.87]
・ドレナージされていない椎体周囲膿瘍, 腸腰筋膿瘍: OR 4.09[1.82-9.19]
・ESRD: OR 6.58[1.63-26.54] の3項目.

リスク群と抗生剤投与期間別の再発率
長期間(≥8wk)ほど再発率も低い.
・特に高リスク群では8wk以上の投与が推奨される
・低リスク群でも長期間ほどよいが, 少なくとも6wk以上の投与でよいかも.

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化膿性脊椎炎における抗生剤投与期間は基本的に6週間であるが,
MRSAによるもの, 透析中の患者, ドレナージされていない椎体周囲の膿瘍や腸腰筋膿瘍を合併している場合は再発リスクが高く, 少なくとも8週以上の投与期間の方が良いと考えられる.