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2017年3月2日木曜日

妊婦におけるSubclinical hypothyroidismの治療

Subclinical hypothyroidに対する治療は議論があるところですが, その中に妊婦は治療を行うことが推奨されている




(Lancet 2012;379:1142-54)

その妊婦のSubclinical hypothyroidismを対象としたレボチロキシンの効果を評価したRCTが発表

(N Engl J Med 2017;376:815-25.)
8-20wkの単胎妊娠の妊婦で, Subclinical hypothyroidism(TSH≥4.00mU, FT4正常) もしくは Hypothyroxinemia(TSH正常, FT4 <0.86ng/dL)を満たす患者を対象としたRCT.
・レボチロキシン投与群 vs Placebo群に割付け, 出産後の成長, 5歳時のIQテスト結果を比較.
・レボチロキシン投与量はSubclinical hypothyroid群で100µg, Hypothyroxinemia群で50µgで開始し, TSH(0.1-2.5mU/L), FT4正常範囲(0.86-1.90ng/dL)となるように調節した.

母集団

母体アウトカム

・レボチロキシンによる治療は早産リスクを低下させない結果
・子癇や妊娠高血圧, 妊娠糖尿病なども有意差なし.

胎児アウトカム

・死産や流産, 新生児死亡, 出産時のApgarなど有意差はない.
・成長についても両者で有意差はない結果.

子供の発達の比較
Subclinical hypothyroidism群

Hypothyroxinemia群

・どのアウトカムも有意差を認めない.
・8-20wkの妊婦のSubclinical hypothyroidism, hypothyroxinemiaに対するチラージンの使用は母体, 胎児, 子供の発達アウトカムの改善には関係しない結果.