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2017年12月28日木曜日

ビタミンB12欠乏は起立性低血圧の原因になる

失神で搬送された患者.
チルト試験をすると高度に血圧の低下が認められ, 起立性低血圧と判断された.

ただし変性疾患の既往も所見も認めず, 薬剤でもない.
十数年まえに胃の全摘術施行歴はあり, ビタミンB12補充はされていない.

下肢の振動覚や触覚の低下, 痺れなどは認めない.
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ビタミンB12欠乏による神経障害についてはこちらを参照

ビタミンB12欠乏では末梢神経障害, 亜急性連合変性症, 認知症が有名であるが,
自律神経障害や起立性低血圧の原因にもなる.

・起立性低血圧や失神の原因としてVit B12欠乏を認め補充により改善するという症例報告はいくつか散見される
(Tex Heart Inst J 2012;39(5):722-3) 

起立性低血圧(+)3ヶ月以内に2回以上の失神エピソードを持つ70歳以上の高齢者において, Vit B12を評価し, 低下(<180pg/mL)を認めた8例と正常範囲であった8(Control)Vit B12補充療法を施行し, 前向きにフォローした報告では
6ヶ月後のチルト試験におけるBP低下は有意にVit B12欠乏群で改善を認めた
(ClinAutonRes(2004)14:67–71)

21例のVit B12欠乏患者, 年齢を合わせた21例の健常Control, 9例の神経症を合併したDM患者において60Head up tilt(HUT)試験を施行した結果
(Autonomic Neuroscience: Basic and Clinical 97 (2002) 45–54 )
・Vit B12欠乏群ではDM群と同等の自律神経障害が認められた.

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まとまった報告は多くはないものの, 自律神経障害, 起立性低血圧の鑑別の一つにビタミンB12欠乏は入れておくべき.
補充で改善が見込めるため, 疑えば補充するのも手であろう.